お正月ってなぁに?意外と知らないお正月のホント    

年中行事 2024年2月17日(土曜日)

お正月は、一年の一番始めの日(New year’s day)ですが、単なるはじまりではありません。
年賀状に、「happy New Year(新年おめでとう)」と書く人もいますが、丁寧に「新しい年を迎えお喜び申し上げます」と書くのが正解。年を`迎える‘という表現の中に、実は、お正月の本来の意味が隠されています。門松やお年玉…お正月にするあれこれが全て大切な意味があるものなのです。

お正月の意味

「新年を“迎える”」とは本来どういう意味なのでしょうか。
お正月は、年が改まり、「年神様(としがみさま)」を各家庭にお迎えする行事です。
「年神様」とは、お正月の神様で「歳徳神(としとくじん)」とか「正月様」と言われることもあります。
「年(とし)」は「稔(みのる)」という意味です。年神様は五穀豊穣や稲の神様ともいわれていて、山のほうへ昇って行った祖先の霊が神となったともいわれています。
お正月になると山から降りてきて、今年の田畑に稔りを、家には一年の幸せをもたらしてくれる神様です。

年神様を迎えるための大掃除

暦の12月13日は「すす払い」の日です。「すす払い」は、「大掃除」の原型となっている行事です。
神社や寺院などで「すす払い」の行事が行われているニュースが流れることもあります。
皆さんの日常生活でも客人を迎える時には少しだけでも家を綺麗にすることがあるかと思います。神様をお迎えするために、神棚を綺麗にして、伊勢の神宮と氏神様の新しいお神札ふだをお祀りする準備をしましょう。そして、年末までの間に徐々に他の場所のお掃除もすすめていきます。
古いお神札は各神社に納め、新しいお神札をいただきます。伊勢の神宮のお神札(神宮大麻)は全国のどこの神社で受けることができます。

お正月飾り

年神様をお迎えするため、門松、しめ縄、鏡餅などのお正月飾りをします。
しめ縄は、その場所が神聖な場所であることを示します。門松は、年神様を迎える依代で、年神様はこの門松のある家を目指してやって来るといわれます。鏡餅は、年神様へのお供え物として飾ります。

お年玉の意味

「お年玉で何を買おうかな?」お年玉は子ども達の心弾むものですが、実は、本来、お年玉はお小遣いではありません。
 本当の意味を漢字で書くと「お歳魂」です。私たちはお迎えした年神様から、新たに力強く生きられるエネルギーを頂きます。それが「歳魂」で、魂を頂くことによって一歳年をとります。
お正月にお迎えした年神様は、お供えした丸い鏡餅に宿ります。その餅は年神の生命で、その力の宿ったお餅を頂くことによって、一年間無事元気で暮らせる「気」「魂」を頂くのです。

鏡開き

年神様にお供えしていた鏡餅を頂く行事です。お供えしていたお餅には、神聖な力が宿ると考えられ、これを家族で分けていただくことで、一年無病息災で暮らすことができます。
お餅を刃物で切ると武士の切腹を連想するので、包丁を遣わず木槌などで割ります。割ることを「開く」というので鏡開きといいます。
鏡開きは、関東では11日、関西では15日に行うところが多いようです。
 「どんど焼き」
年神様をお迎えするためのしめ縄や門松などの正月飾りを燃やします。家にきてくださった年神様はその煙とともに帰っていかれます。地域によって「左義長」「どんど」とも言われます。

参考文献 「生活と神様」兵庫県神社庁
井上順孝 他 編,「神道辞典」,株式会社弘文堂,1994
園田稔 他 編,「神道史辞典」,株式会社吉川弘文堂,2004

関連記事

おすすめキーワード